眠れない夜に考えること
- 2015/11/16
- 01:04
こんばんは。
まだ僕がサラリーマンだった頃の話。
通常の休みとは別に特別休暇という制度があり、好きな時期に一週間程休みをとることができたのでした。
四年前の六月、色々思うところあって悶々としていた僕は、思いきって海外旅行することにしました。
静かな場所で、ゆっくり考え事をしたい。
ここから遠く離れた小さな村。
古い教会を改装した小さなホテルに泊まり、早起きして目的もなく町を歩き、美しい石造りの建物や、澄みきった川の流れに目を奪われ、何枚も写真を撮りました。
歩き疲れて一休みした公園で、目の前のベンチに座っていた老夫婦。
昔からその村にあるという大きな水車がゆっくりと回り、生い茂った緑が昼間の強烈な日差しに照らされている。
その中で語らう人々の姿。
特にガイドブックに載るわけでもない、何気ない村の、何気ない公園の、それでいて余りにもかけがえのない瞬間。
僕はその時、なんとなく、でも強烈にその人達が羨ましく、こんな場所で、こんな風に生きてみたい。とわけもわからず思いました。
村を発つ日、小さな駅からローカルな電車に乗り、アビニョンという町まで出ました。
そしてアビニョンからパリまで、近未来的な、都会的な感じの電車に乗りました。
車窓からはほぼ草原しか見えなくて、たまに小さな家がポツポツあるくらいでした。
その草原と、草を食む牛と、どこまでも続きそうな青い空と雲を見ていたら、また強烈に気持ちが揺さぶられ、ああ俺はこんな風に生きてみたい、とわけもわからず思い、うまく説明のできないような気持ちのまま日本に戻り、二ヶ月後には仕事を辞めてさらに数ヵ月後には突然パン職人になっていたのでした。
皆様には何のことやらさっぱりわからない話をしてしまってすみません。
僕は四年前、南仏プロヴァンスの小さな村に旅をして、そこで見たもの、感じたこと、ささやかだけれど何やら美しいもの、それらに背中を押されるようにして、前に進むきっかけをもらい、今こうして自分の店を持ち、毎日パンを焼いているのです。
フランスで食べたパンが美味しかったからパン職人になりました、というわかりやすい物語ではありません。
一週間の旅の隙間に垣間見えた、ごく些細な啓示のようなものに導かれて生き方を変えた。そんな感じです。
だから、あの場所には何となく恩を感じています。
そしてそれとは別に、やっぱり本場のバゲットをきちんと食べてみたいです。
せっかくフランスに行ったのに、その時の僕は自分がパン職人になるなんて夢にも思わず、バゲットなんてまるで興味がなくて、甘いものばっかり食べてましたから。
フランスは僕の思い出の場所であり、憧れの場所なのです。
だから、こんなひどい目にあわされているのは見ていられないのです。
現地の情報を伝えるニュースを見る度に、胸が潰れそうになります。
ただただ悲しいです。
無力感に苛まれながら、それでも自分にできることを考えてみます。
まだ僕がサラリーマンだった頃の話。
通常の休みとは別に特別休暇という制度があり、好きな時期に一週間程休みをとることができたのでした。
四年前の六月、色々思うところあって悶々としていた僕は、思いきって海外旅行することにしました。
静かな場所で、ゆっくり考え事をしたい。
ここから遠く離れた小さな村。
古い教会を改装した小さなホテルに泊まり、早起きして目的もなく町を歩き、美しい石造りの建物や、澄みきった川の流れに目を奪われ、何枚も写真を撮りました。
歩き疲れて一休みした公園で、目の前のベンチに座っていた老夫婦。
昔からその村にあるという大きな水車がゆっくりと回り、生い茂った緑が昼間の強烈な日差しに照らされている。
その中で語らう人々の姿。
特にガイドブックに載るわけでもない、何気ない村の、何気ない公園の、それでいて余りにもかけがえのない瞬間。
僕はその時、なんとなく、でも強烈にその人達が羨ましく、こんな場所で、こんな風に生きてみたい。とわけもわからず思いました。
村を発つ日、小さな駅からローカルな電車に乗り、アビニョンという町まで出ました。
そしてアビニョンからパリまで、近未来的な、都会的な感じの電車に乗りました。
車窓からはほぼ草原しか見えなくて、たまに小さな家がポツポツあるくらいでした。
その草原と、草を食む牛と、どこまでも続きそうな青い空と雲を見ていたら、また強烈に気持ちが揺さぶられ、ああ俺はこんな風に生きてみたい、とわけもわからず思い、うまく説明のできないような気持ちのまま日本に戻り、二ヶ月後には仕事を辞めてさらに数ヵ月後には突然パン職人になっていたのでした。
皆様には何のことやらさっぱりわからない話をしてしまってすみません。
僕は四年前、南仏プロヴァンスの小さな村に旅をして、そこで見たもの、感じたこと、ささやかだけれど何やら美しいもの、それらに背中を押されるようにして、前に進むきっかけをもらい、今こうして自分の店を持ち、毎日パンを焼いているのです。
フランスで食べたパンが美味しかったからパン職人になりました、というわかりやすい物語ではありません。
一週間の旅の隙間に垣間見えた、ごく些細な啓示のようなものに導かれて生き方を変えた。そんな感じです。
だから、あの場所には何となく恩を感じています。
そしてそれとは別に、やっぱり本場のバゲットをきちんと食べてみたいです。
せっかくフランスに行ったのに、その時の僕は自分がパン職人になるなんて夢にも思わず、バゲットなんてまるで興味がなくて、甘いものばっかり食べてましたから。
フランスは僕の思い出の場所であり、憧れの場所なのです。
だから、こんなひどい目にあわされているのは見ていられないのです。
現地の情報を伝えるニュースを見る度に、胸が潰れそうになります。
ただただ悲しいです。
無力感に苛まれながら、それでも自分にできることを考えてみます。
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