ある日の映画 ・ カレンダーの問題 ・ 生命保険 ・ 池田さん
- 2017/03/01
- 23:56
こんばんは。
少し前の話になるのですが、「あん」という映画を見ました。
たまたまテレビでやってたので。
見ている最中、すぐにガツンとくるタイプの映画ではなかったように思います。
見終わって、何日か経って、ふと思い出してはじわじわとくる。
そんなタイプの映画。
どのへんが良かったか、と言われても、うまくその良さを伝えられそうにありません。
ただ一つ確かなのは、「生きること」についてのストーリーだった、ということです。
僕の部屋にはカレンダーがあります。
企業の名前が小さく印刷されていて、その辺でタダで配ってるようなやつです。
取り立てて特徴のないカレンダーですが、何かと視界に入る場所にあるのでつい見てしまいます。
そこで困ったことが一つ。
このカレンダーは、1月から12月までがまとめて表記されてるタイプなのです。
困りました。
ふと目に入ったとき、まず今日が何日かをぼんやり思い出す。
そこまではいいのです。
しかし、そこからどんどん視線は動いて前後の日付を追い始めるのです。
この前食べたラーメンは旨かったな、とか、来月は祝日があるんだっけ、とか、来週の休みは何しよう、とか。
そう言えば先日、友達が店に来てくれました。
しばらく会ってなかったので、そのしばらく会ってない間に色んなことがあり、厨房でパンを作りながら(カウンターでパンを食べながら)、製氷機の上でコーラの栓を開けながら(雑誌を片手にコーラを瓶に注ぎながら)、ぽつぽつと話した二月にしては暖かな昼下がり。
近くの駐車場まで友達を見送りがてら、僕は何故か生命保険の話をしていました。
あと二十年も金を払うんだ、みたいなことを。
その友達に、最近全然ブログ更新してないじゃん、と突っ込まれた二月にしては穏やかな昼下がり。
ブログは更新してないけど店はバリバリやってるから、と開き直り。
つい先日発売された本。
僕の尊敬する池田さんの書いた本。↓
【このパンがすごい!】

バリバリ営業中の当店も載せてもらいました。
前にも書いたけど、池田さんの文章は本当にすごい。
パンを食べた感想を、ここまで豊かなボキャブラリーで表現できる人は他にいない。
そして何より稀有なのは、池田さん本人が、小手先の言葉をこねくり回しているんじゃなくて、心から感じたことを、(多分)ありのままに書いていること。
テレビのグルメ番組で見るような、コメントすることが目的化してるコメントとは違う。
池田さんがパンを食べるとき、そこに目の前のパン以外のものはない。
視界から、思考から、パン以外のものは消えて、ただ真摯にパンと向き合い、パンを感じている。
そんな気がする。
そんな池田さんの作った本は、やっぱり最高に面白い。
ただのガイド本じゃない。
パン職人がパン屋目線で読んでも楽しめる。
行きたいパン屋や、食べたいパンがいっぱい載っていて、パンってすごいな、と改めて思わされる。
自分が読んで、他の人にも勧めたくなったので、出版社から献本されたものとは別に自分で何冊か買いました。
店にも置いてあります。ご希望の方にはディスカウントして販売します。
是非読んでみてください。
パンってすごいな、面白いな、と思えるはずです。
そんな感じで気がつけば三月。
まだまだ寒いですね。
早く暖かくならないかなー、とか、桜はいつ咲くかなー、とか、先のことを考えるのは少し置いといて。
今目の前のこと、例えば目の前のパン生地。
この丸い形の生地をいかに長く、張りを保たせて成形していくか。
そのことだけ考える、他のことは考えない。
というかもう何も考えない、思考をOFFにする。
昨日のことや二十年後のことはどうでもいい大事なのは今。
今を思いっきり感じること。
今を、今生きていることを感じて生きること。
僕は毎日、僕の全てをパン生地に叩きつける。
パン生地はそれを受け止めて、窯の中でパンになる。
その揺るぎない反復に身を委ねる感覚。
見失わないように生きます。
少し前の話になるのですが、「あん」という映画を見ました。
たまたまテレビでやってたので。
見ている最中、すぐにガツンとくるタイプの映画ではなかったように思います。
見終わって、何日か経って、ふと思い出してはじわじわとくる。
そんなタイプの映画。
どのへんが良かったか、と言われても、うまくその良さを伝えられそうにありません。
ただ一つ確かなのは、「生きること」についてのストーリーだった、ということです。
僕の部屋にはカレンダーがあります。
企業の名前が小さく印刷されていて、その辺でタダで配ってるようなやつです。
取り立てて特徴のないカレンダーですが、何かと視界に入る場所にあるのでつい見てしまいます。
そこで困ったことが一つ。
このカレンダーは、1月から12月までがまとめて表記されてるタイプなのです。
困りました。
ふと目に入ったとき、まず今日が何日かをぼんやり思い出す。
そこまではいいのです。
しかし、そこからどんどん視線は動いて前後の日付を追い始めるのです。
この前食べたラーメンは旨かったな、とか、来月は祝日があるんだっけ、とか、来週の休みは何しよう、とか。
そう言えば先日、友達が店に来てくれました。
しばらく会ってなかったので、そのしばらく会ってない間に色んなことがあり、厨房でパンを作りながら(カウンターでパンを食べながら)、製氷機の上でコーラの栓を開けながら(雑誌を片手にコーラを瓶に注ぎながら)、ぽつぽつと話した二月にしては暖かな昼下がり。
近くの駐車場まで友達を見送りがてら、僕は何故か生命保険の話をしていました。
あと二十年も金を払うんだ、みたいなことを。
その友達に、最近全然ブログ更新してないじゃん、と突っ込まれた二月にしては穏やかな昼下がり。
ブログは更新してないけど店はバリバリやってるから、と開き直り。
つい先日発売された本。
僕の尊敬する池田さんの書いた本。↓
【このパンがすごい!】

バリバリ営業中の当店も載せてもらいました。
前にも書いたけど、池田さんの文章は本当にすごい。
パンを食べた感想を、ここまで豊かなボキャブラリーで表現できる人は他にいない。
そして何より稀有なのは、池田さん本人が、小手先の言葉をこねくり回しているんじゃなくて、心から感じたことを、(多分)ありのままに書いていること。
テレビのグルメ番組で見るような、コメントすることが目的化してるコメントとは違う。
池田さんがパンを食べるとき、そこに目の前のパン以外のものはない。
視界から、思考から、パン以外のものは消えて、ただ真摯にパンと向き合い、パンを感じている。
そんな気がする。
そんな池田さんの作った本は、やっぱり最高に面白い。
ただのガイド本じゃない。
パン職人がパン屋目線で読んでも楽しめる。
行きたいパン屋や、食べたいパンがいっぱい載っていて、パンってすごいな、と改めて思わされる。
自分が読んで、他の人にも勧めたくなったので、出版社から献本されたものとは別に自分で何冊か買いました。
店にも置いてあります。ご希望の方にはディスカウントして販売します。
是非読んでみてください。
パンってすごいな、面白いな、と思えるはずです。
そんな感じで気がつけば三月。
まだまだ寒いですね。
早く暖かくならないかなー、とか、桜はいつ咲くかなー、とか、先のことを考えるのは少し置いといて。
今目の前のこと、例えば目の前のパン生地。
この丸い形の生地をいかに長く、張りを保たせて成形していくか。
そのことだけ考える、他のことは考えない。
というかもう何も考えない、思考をOFFにする。
昨日のことや二十年後のことはどうでもいい大事なのは今。
今を思いっきり感じること。
今を、今生きていることを感じて生きること。
僕は毎日、僕の全てをパン生地に叩きつける。
パン生地はそれを受け止めて、窯の中でパンになる。
その揺るぎない反復に身を委ねる感覚。
見失わないように生きます。
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