僕とフランス
- 2017/10/06
- 21:55
こんばんは。
何年か前の話ですが、フランスを旅したことがあります。
その頃勤めていた会社に有給休暇を一週間ほどもらって、南仏へ行きました。
大都市よりも小さな町や村にゆっくり滞在する方が落ち着くので、自然と田舎の方に足が向きます。
この時訪れたのは、リルシュルラソルグ、という何かのおまじないのような不思議な名前の村でした。
ソルグ川、というとても澄んだ水が流れる川のほとりにある村です。
特に何をするわけでもなく、日中は散歩して過ごしました。
民家の裏や公園の入口に大きな水車が回っていて、それを飽きもせず眺めていました。
古い教会を改装したという小さなホテルに泊まり、その周りのこじんまりしたアンティーク店やケーキ屋に出入りしつつ、目についた食堂で見たこともないような料理を食べました。
朝早く起きてぶらぶらしていたらもう開いている店があって、何だろうと思って入ってみたらパン屋でした。
何か買いたいものがあったわけでもなく、とりあえず目についたパンを買って出ました。
やたらと先のとがったパンでした。
これが、僕のフランスです。
僕の記憶にあるフランスは、回る水車と、美しい水と、穏やかな公園のイメージ。
あのやたらととがったパンが、バゲットという名前だと知るのはもう少し後の話です。
フランスに行ってまともにパンを食べてこなかったなんて、大阪に行ってタコ焼きを食べないのと同じくらいあり得ないことですよね。
今ならわかります。
でもあの頃の僕にはわからなかった。
まさか自分がパン職人になるなんて、思いもしなかった。
お客様からたまに聞かれます、フランスで修行したことあるの?と。
ないです。新宿で修行してました。フランスのパンなんてろくに食べたこともないままに。
二年間がむしゃらにフランスパンを作って、辞めてすぐ店を出して三年経ちました。
そして10月10日、フランス展に出させていただくことになりました。
日本橋の三越で二期に分かれて開催される催事で、当店の出番は一期目のトリです。というと聞こえはいいですが、実際は定休日(火曜日)しか時間の都合がつけられなかっただけです。
初めてこの話をいただいた時、担当の方にお尋ねしました。僕らでいいんですか、と。
今回はどうしてもやらせてもらいたいことがあって、それもついでにお願いしました。
僕は、どうしてもフランス展で、あんバターと焼きそばフランスを出してみたかったのです。
フランスらしくないかもしれないけど、僕らがいつも店で作っているもの、そして、フランスパンの間口を広げてくれるもの。
フランス展に来るお客様に、きっと喜んでもらえると思ったのです。
担当の方は、いいですよ、と言ってくれました。
だから僕らは、一日だけだけど、全力でやらせてもらう覚悟を決めました。
持っていくパンは一種類、フランスパンだけです。自分のフランスパンが、どこまでいけるのか見届けてこようと思います。
サンドイッチはあんバターと焼きそばフランスを含む四種類を、その場で作ってお出しします。
催事に出ればそこには当然他の出店者がいるわけで、僕は毎回そこに戦いに行くのです。
誰よりもお客様を喜ばせるための戦い。
どれだけフランスらしくやれるかより、どれだけ自分らしくやれるか。
異質なものが、どこまで本質に迫るのか。
お付き合いいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
三越フランス展
PART 1
2017年10月4日(水)~10日(火)
※10月10日(火)は午後4時終了、イートインは午後3時終了。
日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※10月10日は火曜日ですので成田東の店舗はいつも通りお休みです。お間違えのないようにお願いいたします。
何年か前の話ですが、フランスを旅したことがあります。
その頃勤めていた会社に有給休暇を一週間ほどもらって、南仏へ行きました。
大都市よりも小さな町や村にゆっくり滞在する方が落ち着くので、自然と田舎の方に足が向きます。
この時訪れたのは、リルシュルラソルグ、という何かのおまじないのような不思議な名前の村でした。
ソルグ川、というとても澄んだ水が流れる川のほとりにある村です。
特に何をするわけでもなく、日中は散歩して過ごしました。
民家の裏や公園の入口に大きな水車が回っていて、それを飽きもせず眺めていました。
古い教会を改装したという小さなホテルに泊まり、その周りのこじんまりしたアンティーク店やケーキ屋に出入りしつつ、目についた食堂で見たこともないような料理を食べました。
朝早く起きてぶらぶらしていたらもう開いている店があって、何だろうと思って入ってみたらパン屋でした。
何か買いたいものがあったわけでもなく、とりあえず目についたパンを買って出ました。
やたらと先のとがったパンでした。
これが、僕のフランスです。
僕の記憶にあるフランスは、回る水車と、美しい水と、穏やかな公園のイメージ。
あのやたらととがったパンが、バゲットという名前だと知るのはもう少し後の話です。
フランスに行ってまともにパンを食べてこなかったなんて、大阪に行ってタコ焼きを食べないのと同じくらいあり得ないことですよね。
今ならわかります。
でもあの頃の僕にはわからなかった。
まさか自分がパン職人になるなんて、思いもしなかった。
お客様からたまに聞かれます、フランスで修行したことあるの?と。
ないです。新宿で修行してました。フランスのパンなんてろくに食べたこともないままに。
二年間がむしゃらにフランスパンを作って、辞めてすぐ店を出して三年経ちました。
そして10月10日、フランス展に出させていただくことになりました。
日本橋の三越で二期に分かれて開催される催事で、当店の出番は一期目のトリです。というと聞こえはいいですが、実際は定休日(火曜日)しか時間の都合がつけられなかっただけです。
初めてこの話をいただいた時、担当の方にお尋ねしました。僕らでいいんですか、と。
今回はどうしてもやらせてもらいたいことがあって、それもついでにお願いしました。
僕は、どうしてもフランス展で、あんバターと焼きそばフランスを出してみたかったのです。
フランスらしくないかもしれないけど、僕らがいつも店で作っているもの、そして、フランスパンの間口を広げてくれるもの。
フランス展に来るお客様に、きっと喜んでもらえると思ったのです。
担当の方は、いいですよ、と言ってくれました。
だから僕らは、一日だけだけど、全力でやらせてもらう覚悟を決めました。
持っていくパンは一種類、フランスパンだけです。自分のフランスパンが、どこまでいけるのか見届けてこようと思います。
サンドイッチはあんバターと焼きそばフランスを含む四種類を、その場で作ってお出しします。
催事に出ればそこには当然他の出店者がいるわけで、僕は毎回そこに戦いに行くのです。
誰よりもお客様を喜ばせるための戦い。
どれだけフランスらしくやれるかより、どれだけ自分らしくやれるか。
異質なものが、どこまで本質に迫るのか。
お付き合いいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
三越フランス展
PART 1
2017年10月4日(水)~10日(火)
※10月10日(火)は午後4時終了、イートインは午後3時終了。
日本橋三越本店 本館7階 催物会場
※10月10日は火曜日ですので成田東の店舗はいつも通りお休みです。お間違えのないようにお願いいたします。
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