問いと答え

こんばんは。

引き続き緊迫した状況下、皆様いかがお過ごしでしょうか。

いつまでこんな日々が続くのか。わかりません。

自粛要請、緊急事態、そういう社会状況の下、僕らのような個人事業はどうすべきなのか。

皆考えています。

知り合いのお店、音楽をやってる仲間、

皆自分がどうすればいいのか、考えています。

僕はここ最近いつもパンを作りながら、なぜ今日も店を開けるのか、考えています。

なぜ店を開けるのか。
その問いかけは、なぜパンを作るのか、という問いかけに自ずと繋がっていきます。

なぜパンを作るのか。

僕はなぜパンを作るのか。

売上げのためだろうか。

違う。

それはパンを作る目的ではない。

材料を買う、固定費を払う、生活費を稼ぐ、そのためにパンを作るのではない。

パンを作るために材料を買い、固定費を払い、生活をする。

だから売上げのためにパンを作るのではなくて、パンを作るために売上げが必要なだけ。

再び問うてみる。

なぜパンを作るのか。

自分のためだろうか。

確かにパンは好きだ。

でも自分が食事をするとき、だいたい米か麺ばかりな気がする。

休みの日の朝は、ラジオを聴きながらパンを食べて、珈琲を飲む。

週のうち１～2回そんな日があるけど、ほとんどはご飯とおかず、たまにラーメン。

定期的に味見をするとき以外は、自分で焼いたパンを自分では食べない。

食べたいけど、自分のパンは自分のところには回ってこない。

毎日焼いたパンは、全てお客様が持っていってくださる。

それだけでも有り難いことだけど、さらにその上、ありがとう、と言ってもらえることすらある。

そんなときはパンを作る意味を感じる。

このパンが食べたい、これじゃなきゃダメだ、そんなことを言われて、その気になってまたパンを焼く。

パンを作りながら、そのパンを買ってくれる方々の顔が鮮明に浮かんできて、これは、あの人のために作っているんだな、と、ふと思う時がある。


いいことばかりじゃない。

だけど僕は町のパン屋としてパンを焼きます。

僕のパンは、既にこの町のライフラインだと思っています。

本当に必要としている方達にパンを渡さなければなりません。

まだまだ止めるわけにはいかないのです。

焼かせてください。

お願いします。