パンと音楽・第二回 phineas newborn Jr.
- 2020/04/14
- 06:47
おはようございます。
休みの日でも早朝に目覚めてしまうパン屋です。
昨日の荒れた空から一転、気持ちのいい青空から朝日が部屋に射し込んできます。
朝に聴く音楽、一日の始まりを祝福するような、清々しい音楽、そんなのを求めて棚を物色していたら、ちょうどいいのを見つけました。
Harlem blues / phineas newborn Jr.

家の近所にはけっこうたくさん緑があって、色んな生き物が住んでいます。部屋にいると、そういう生き物、主に鳥の声が聴こえてきます。中でも僕はウグイスの声が好きで、あの高く澄んだ声を聴いていると、どこか深い山の中にいるような、厳かな気持ちになります。
昔、通りすがりに入った店で何気なく買ったCDがこれでした。逆光の中、ピアノと向き合う人物のジャケット。
さっきamazonを見てみたら450円くらいで売ってました。
その時はまだphineas newborn Jr.のことは知らず、長い名前だな、くらいの印象でした。
だけどそのCDをプレイヤーにセットした瞬間に流れてきた音は、僕の知っているどのピアノとも違う、例えようもなく独創的な音でした。
一音一音の粒が立っている、というか、強くて潔いタッチが耳に刺さるような、そんな音でした。
なぜこんな音が出せるのか、気になってCDのライナーを読んでみると、まずこの人は技巧的に特殊なプレイヤーなんだとわかりました。
普通のピアニストが左右の手でそれぞれコードやメロディーを弾き分けるところを、phineas newborn Jr.は両手でオクターブを離して寸分違わぬリズムをユニゾンで表現している。そのユニゾンの音の厚みがすごい。
ユニゾンの超絶速弾きを聴いていると、うわ~って感じになりますが、凄すぎて耳が疲れてしまうこともあります。
だから、このアルバムで僕が一番よく聴くのは3曲目です。Little girl blue,という何だか悲しげな雰囲気のタイトルで、実際元々は悲しげな歌らしいのですが、phineas newborn Jr.はこの曲を強く、美しく弾いています。
リラックスした演奏で、パンをスライスして、バターを塗って、野菜やハムをはさみながらのんびり聴くのにぴったりです。
その後の4曲目は少しアップテンポの楽しげな曲なので、サンドイッチを食べ終えた後でパンくずを片付ける時なんかに聴くと、掃除がはかどりそうです。
このCDのライナーにはphineas newborn Jr.のバイオグラフィーが書かれているのですが、読んでいて切なくなります。
超絶技巧を持ちながら、生前には十分に評価されず、そのことから精神を病み、演奏活動もとぎれとぎれで、遺したアルバムも少ない。そして早くに亡くなる。
phineas newborn Jr.の人となりを知るにつれて、もっと広くその音を知りたくなり、一時期片っ端から音源を集めていました。
そうやって見てみると、この人のアルバムタイトルにはpianoという言葉がやたら出てくるのに気づきます。piano portraits,great jazz piano,world of piano,そしてI love piano,という直球なタイトルのものまで。
本当にピアノが好きな人だったんだな、と思います。
そんな人の弾くピアノは、技巧とかひとまず置いといて、何か胸に迫るものがあります。
phineas newborn Jr.のHarlem blues、是非聴いてみてください。
休みの日でも早朝に目覚めてしまうパン屋です。
昨日の荒れた空から一転、気持ちのいい青空から朝日が部屋に射し込んできます。
朝に聴く音楽、一日の始まりを祝福するような、清々しい音楽、そんなのを求めて棚を物色していたら、ちょうどいいのを見つけました。
Harlem blues / phineas newborn Jr.

家の近所にはけっこうたくさん緑があって、色んな生き物が住んでいます。部屋にいると、そういう生き物、主に鳥の声が聴こえてきます。中でも僕はウグイスの声が好きで、あの高く澄んだ声を聴いていると、どこか深い山の中にいるような、厳かな気持ちになります。
昔、通りすがりに入った店で何気なく買ったCDがこれでした。逆光の中、ピアノと向き合う人物のジャケット。
さっきamazonを見てみたら450円くらいで売ってました。
その時はまだphineas newborn Jr.のことは知らず、長い名前だな、くらいの印象でした。
だけどそのCDをプレイヤーにセットした瞬間に流れてきた音は、僕の知っているどのピアノとも違う、例えようもなく独創的な音でした。
一音一音の粒が立っている、というか、強くて潔いタッチが耳に刺さるような、そんな音でした。
なぜこんな音が出せるのか、気になってCDのライナーを読んでみると、まずこの人は技巧的に特殊なプレイヤーなんだとわかりました。
普通のピアニストが左右の手でそれぞれコードやメロディーを弾き分けるところを、phineas newborn Jr.は両手でオクターブを離して寸分違わぬリズムをユニゾンで表現している。そのユニゾンの音の厚みがすごい。
ユニゾンの超絶速弾きを聴いていると、うわ~って感じになりますが、凄すぎて耳が疲れてしまうこともあります。
だから、このアルバムで僕が一番よく聴くのは3曲目です。Little girl blue,という何だか悲しげな雰囲気のタイトルで、実際元々は悲しげな歌らしいのですが、phineas newborn Jr.はこの曲を強く、美しく弾いています。
リラックスした演奏で、パンをスライスして、バターを塗って、野菜やハムをはさみながらのんびり聴くのにぴったりです。
その後の4曲目は少しアップテンポの楽しげな曲なので、サンドイッチを食べ終えた後でパンくずを片付ける時なんかに聴くと、掃除がはかどりそうです。
このCDのライナーにはphineas newborn Jr.のバイオグラフィーが書かれているのですが、読んでいて切なくなります。
超絶技巧を持ちながら、生前には十分に評価されず、そのことから精神を病み、演奏活動もとぎれとぎれで、遺したアルバムも少ない。そして早くに亡くなる。
phineas newborn Jr.の人となりを知るにつれて、もっと広くその音を知りたくなり、一時期片っ端から音源を集めていました。
そうやって見てみると、この人のアルバムタイトルにはpianoという言葉がやたら出てくるのに気づきます。piano portraits,great jazz piano,world of piano,そしてI love piano,という直球なタイトルのものまで。
本当にピアノが好きな人だったんだな、と思います。
そんな人の弾くピアノは、技巧とかひとまず置いといて、何か胸に迫るものがあります。
phineas newborn Jr.のHarlem blues、是非聴いてみてください。
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